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期間限定の某国擬人化漫画のファンブログ。 この世の全てと無関係!
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某有名なボカロ曲パロです。
悪ノ娘→ロヴィ
召使→フェリ
青ノ王子→トーニョ(※名前だけ)
緑ノ娘→アーサー
上記キャスティングで、伊×英←西←南伊という非常に報われない話になってます。
また、派生の「緑ノ娘」と「悪ノ召使―悪ノ娘視点―」をベースにして妄想の限りを尽くした俺得な走り書きです。
どれどれ見てやんよ、という懐の大きい方のみお進みください。












――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「フェリシアーノ?どこにいるんだ…?」
ああ、君がやって来る。町外れの森は、夜になると灯りも人も途絶えて恐ろしいだろうに。それでも君は、俺が会いたいと言えば、何も疑わずに来てくれるんだね。
『フェリシアーノ。あいつを殺せ』
『アーサー、を…?』
『そうだ。…あいつのせいで、アントーニョが俺を見てくれないんだ』
『っでも…!』
『お前、最近あいつとよく会ってるらしいじゃねえか。お前が呼び出せば、ほいほいついて来るだろ』
『でも…アーサーは…』
『フェリシアーノ。召使のお前が、俺に逆らうのか』
『……Sì, mio padrone…』
ああ、可哀想なアーサー。異国の王子に近付いたのも、彼の意志ではなかったのに。今また彼の意志ではなく、その命を絶たれようとしている。他でもない、この俺の手で。
「フェリシアーノ…ここにいたのか」
「アーサー…ごめんね、こんな時間に呼び出して」
かさ、と草を踏む音がして、木立の間から彼が姿を現した。腰掛けていた井戸の縁から立ち上がり様に、気付かれないように腰に隠した短剣を確かめる。そのまま駆け寄って抱きしめれば、彼からも背中に腕を回された。
「ごめんな、抜け出すのに時間がかかっちまった」
「ううん…急に会いたいって言ったのは俺だもん。来てくれただけで嬉しいよ」
「当たり前だろ。でも、こんな夜中にどうしたんだよ?」
「うん……」
抱き締めた体は俺よりも少し背が高いのに相変わらず痩せていて、抱き心地がいいとは思えないのに、なかなか離れられないのがいつも不思議だった。首筋に頭をすり寄ると、ほんのり香る薔薇と紅茶の香りが好きだった。こうやって甘えれば、仕方ないヤツだなんて言いながら、優しく頭を撫でてくれる手が好きだった。
でも、『彼』が望むのなら、俺はアーサーを手放さなければならない。
何故なら『彼』は王子でかけがえの無い兄弟で、俺は『彼』のための召使なのだから。
「アーサー…ごめんね…!」
「……やっぱり、俺を殺しに来たんだな」
意を決して腰の短剣に手を伸ばす。しかし先程確かめたはずのそこには何の感触もなく、やけに静かなアーサーの声が耳に届いた。
思わず顔を上げると、とても殺されると知ったとは思えない、アーサーの穏やかな表情が目に入った。
「アーサー…?」
「知ってたよ、フェリシアーノ。お前が悪の王子の召使だと」
する、と腕が外されると、その手には俺の短剣が握られている。
返り討ちを警戒して身を強張らせたものの、アーサーは刃を俺に向けはせず、逆に俺の手を取って柄をしっかりと握らせてくる。
「王子が俺を殺せと言ったんだろう?アントーニョが、俺に執着して、王子に見向きもしないから」
「どうして……」
「俺はそのために育てられてきたから」
俺に柄を握らせた手は、俺の手に重ねられたまま、切っ先を彼に固定させる。
「暴虐の限りを尽くすこの国を倒すための、革命の火種になるように。アントーニョに近付いてロヴィーノの怒りを煽って、そしてあいつの手にかかって殺されて、民衆の不満に火を点け爆発させるために。そのためだけに俺は生まれて生きて、この国にいるんだ」
「アーサー…?な、何言って…」
「『悪の王子の召使』に殺されるなら、筋書きとしても申し分ない。……俺も、お前の手にかかって死ねるなら、これ以上の終わりはない」
不意に、ずぐ、と切っ先が柔らかいものにめり込む感触がした。まさかと思いながら視線をナイフに落とせば、彼の服に血が滲み始めているのに気付く。
「っ、アーサー!?や、止めて、何するの!?」
「何、って…おかしなこと、聞くなよ…」
慌ててナイフから手を離そうとしても、彼の手に握り込まれて許されない。パニックを起こして泣きそうな俺に、アーサーは苦しそうに息を切らしながら、でも幸せそうな笑顔のまま、俺の腕を引いて自らナイフを埋め込んでいく。
「俺を殺すのは、誰、でも、よかったんだ…っ、でも、お前が…好き、だから。どうせなら、お前の手にかかって、死にたかった……」
刃の根元まで埋め込んでから、彼はようやく俺の手を開放した。軽く俺の肩を押して体を離したアーサーは、よろよろとした足取りで井戸へと近付いていくと、さっきまでの俺と同じように井戸の縁へと腰を下ろす。
「フェリシアーノ…俺の死は、きっとこれから、お前や…悪の王子を苦しめる、だろう。でも…お前が、王子に言われて俺を殺しに来たように…俺もここで死ぬことは、譲れないことなんだ…」
事態に思考が追いつかず、その場にへたりこんだ俺は、それでも力の入らない足を引きずって必死に彼の元へと移動する。そんな俺に微笑んだまま、アーサーはゆっくりと別れを口にした。
「それでも、お前に出会って、本物の恋ができた。ありがとう……フェリシアーノ」
ぐらりと彼の頭が揺れた。そう思った瞬間、今までそこにいた彼の姿が掻き消える。
「アーサー…?っ、アーサー!?」
必死に名前を呼ぶ俺の声に、何か重いものが水に落ちる音が井戸の奥から重なった。
「アーサー!やだ……嫌だ、アーサー!!アーサーぁ……!!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

んで、翌日の会話はこんな感じ。
「お前、目ェ真っ赤だぞ」
「そう?昨日なかなか眠れなくって…そのせいかな」
「ふーん…ああ、そうだ、今朝、あいつの死体が見つかったらしい」
「っ……」
「お前だろ?よくやった、フェリシアーノ」
「…へへ、兄ちゃんのためだもん」
「フン、当たり前だろーが。で、今日のメシは?」
「今日は俺が腕によりをかけて作りましたー!アマトリチャーナ、味わって食べてね!」
「不味かったら承知しねーぞ。食ってやるからさっさと持って来い」
「はーい!」
フェリが食事の支度に出て行った後に、独り残されたロヴィが苛立ち紛れにテーブルとか叩きながら、
「クソッ……なんで素直に従うんだよ…!お前の事だから、あいつを殺すくらいなら連れて逃げると思ってたのに…馬鹿弟が……っ!」
とか言ってるといいと思います(`・ω・´)キリッ

あと、同じく派生の「青ノ王子」の歌詞をお借りして、
「あいつがお前の事好きなのなんか、気付いとったわ…それでも、あいつが幸せなんやったらええと思っとった。せやのに、何で…何で、お前はあいつを救ってやらんかったんや!フェリシアーノ!!」って激昂するトーニョが見たいです。この時だけはフェリシアーノって呼んで欲しい。
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飛竜迅雷
性別:
非公開
自己紹介:
ろっさまと海と貴族と祖国が好きな雑食ブログ。
もしかしたら思っているより眉毛が好きなのかもしれないと思い始めた。
好きなCPは独墺、英(+)海、仏露仏、ロマ日。
自分じゃ書かないけど好きなのは米加、独仏、伊英伊、独英、普英普、普日。
最近香くんも気になってきた。
思ったより眉毛の絡むCPが多いことに自分で驚いてる。
ケンカップル(?)という意味では米露もいけるけど、どっちかっていうとメリカは好きではない、可能なら殴って泣かせたい(その前に殴られる)。
見れば分かるくらい王道から遠く離れたマイナー街道を驀進中。
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